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漢方コラム 6/313

Vol.309 腸内環境〜貧血・アレルギー・妊活・メンタルなどに幅広く影響〜

《植物と土壌の関係= 人間と腸内環境》

植物にとって土壌が重要なように、人間にとっての土壌である「腸内環境」が、あらゆる病気を引き起こすことが分かってきました。今、通常医療では治せない現代病が増えています。薬だけでコントロールしきれないトラブルも増えていますから、なるべく根本的な取り組みが必要になります。当店では、近年腸活に力を入れていますが、メンタルの問題、貧血、皮膚病、アレルギー、妊活など多岐にわたって、腸内環境の重要性を実感しています。

《必要な栄養素を腸内細菌で発酵させ吸収》

腸内環境が悪化するということは、土の中で腐敗菌が増えることと同じです。根腐れが起こると、血液環境が悪くなり、細胞に栄養が届かず、病気になってしまいます。
食べたものは勝手に栄養素が吸収されるわけではなく、消化吸収されにくいビタミンやミネラル、アミノ酸、有機酸などは特に、腸内細菌で発酵させ、吸収します。どんなに良い物を食べていても、腸内環境が良くなければミネラルなどは体に取り込まれないのです。そのため、血を作るための栄養素が取り入れられずに貧血になったり、皮膚や粘膜を健康に保つために必要な栄養素が不足して皮膚トラブルに繋がったり、たんぱく質が大きな分子のまま腸から取り込まれてアレルギーを引き起こしたりします。
子宮内フローラといって、腸内フローラ同様子宮の中にも菌が存在し、それが着床に関わることも分かってきています。

《腸内を整えながら総合的に判断》

腸内環境は、メンタルにも大きな関わりがあります。東洋医学では昔から、胃腸が弱いと思い悩み、くよくよしやすくなると診ています。胃腸の働きを高めることで、抑うつ状態を改善したり、夜泣きやイライラ、不眠なども解消する働きを持つ漢方処方があります。
実際に腸内の菌には、セロトニンや気分を上げるドーパミン、精神を落ち着かせるGABAなどを合成したり、脳内での合成を刺激する菌もあるといわれています。重度のうつ病患者の腸内細菌は、これらの合成機能が低いといわれています。
腸と脳は常に連絡を取り合っているため、ストレスを受けると腸内環境が悪くなります。腸の環境が良くなると、脳内の神経伝達物質の分泌が促されます。

▼ストレス、▼帝王切開での出産、▼産後からの抗生物質投与、▼生まれてからの抗生剤投与歴、▼消化器の虚弱・機能低下、▼胃酸抑制剤の連用、▼食品添加物、▼食生活の乱れ、▼感染性胃腸炎などの感染歴、▼冷たい物の摂りすぎ‐
などが腸内環境に大きく影響を及ぼすことが分かってきています。総合的な判断・取り組みが必要になります。
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