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漢方コラム 7/313

Vol.308 患部のうっ血で起こるいぼ痔 〜漢方で便秘や出血、血流を改善し、再発も防止〜

《いぼ痔、切れ痔、痔ろうなど日本人に多い疾患》

寒くなると増える相談の一つに「痔」があります。 痔は日本人に特に多く、いぼ痔、切れ痔、痔ろうで全体の9割を占めます。その中で男女ともに多くみられるのがいぼ痔です。いぼ痔の発症原因は患部の血行障害なので、いぼ痔を静脈瘤の一種と考えると分かりやすいですね。肛門周りの静脈がうっ血していぼのように腫れるのです。

血行不良を起こさないために重要なことは、冷やさないこととうっ血を起こさないこと。冷えやすく便秘になりやすい女性や妊婦さんに痔が多いのはそのためです。▼シャワー生活を湯船につかるようにする、▼冷蔵庫から出してすぐの飲み物を飲んだり、氷を入れる習慣があれば温かい物に切り替える‐など、冷えに注意することが改善の近道になります。

常温は体に良いイメージがありますが、寒い時期の常温は体温よりだいぶ低いので、なるべく体温以上のものを口にするように心がけると良いと思います。カイロや湯たんぽなどでお尻の下の方にある骨の部分を温めるだけでも違います。長時間座りっぱなしだったり、便秘だと患部にうっ血を起こしてしまうので適度な運動や便秘解消も重要です。

下剤は腸を冷やしてしまうため、下剤に頼りすぎないアプローチが必要になります。

《アルコールで炎症悪化 ご注意ください!》

アルコールは血行を良くするイメージがあると思いますが、患部は炎症を起こしており、アルコールは炎症を悪化させてしまうため注意が必要です。そのほか、砂糖を使った甘い物、辛いもの、もち米なども炎症を悪化させるので、合わせてご注意ください。

便秘にはさまざまなタイプがあり、皆一様の方法で改善できるわけではありませんが、腸もその他の臓器同様、冷えに弱く、37度で一番よく動くといわれているので、温かい物を口にし、温めることで働きを良くしましょう。その上で、自分のタイプに応じた対応をしていきます。

《自分に合う漢方で内側から改善》

また、疲れやすく貧血気味の胃腸虚弱、胃下垂タイプの方は疲れると内臓が下垂しやすいので、便秘が悪化したり、脱肛にもなりやすく、内臓の気を高め下垂しないよう漢方薬で体質改善していきます。

痔の場合、漢方では便秘解消、出血改善、痔の痛みを和らげて炎症や腫れを取り除くようにしていきます。そして毛細血管に働きかけ、全身の血流改善をすることができる漢方薬を用いながら、痔の改善や再発予防をします。痔は内からのアプローチでもかなり良くなっていきますから、専門家に相談の元、自分に合った漢方薬を用いるとよいでしょう。
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