漢方コラム
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Vol.303 認知症予防〜漢方と生活改善で毛細血管を丈夫にし、血流UPを〜
《年齢とともに血管が硬化し、毛細血管も減少》
脳の中にアミロイドβタンパクがたくさん溜まることと、認知症の関係は深いといわれています。毛細血管が弱くなったり、減ったり、血流が悪くなることできちんと脳の隅々まで血液がいかないために酸素と栄養を運べず、二酸化炭素と老廃物をうまく回収できなくなります。掃除が行き届かない部屋にゴミやホコリが溜まる状態に似ています。
個人差はあるものの、血管は40歳以上から硬化が始まり、60歳以降は約40%の毛細血管が減るそうです。そこに喫煙、肥満、運動不足、偏った食事、糖尿病が加わると、その進行度が変わってきます。血管がしなやかであるように、減らないようにしていくことが、見た目の若さとともに心身の若さ維持にもつながります。
《生活習慣病は血液・血管に関与》
血糖値が高いと血管がもろくなり、毛細血管が弱くなっていきます。糖尿病3大合併症である、目と腎臓と末梢神経の障害は、毛細血管にうまく血液が流れなくなったことで起こります。糖尿病があると認知症のリスクが高くなるといわれるのも同様の理由です。薬だけで血糖のコントロールをするのではなく、しっかりと食事管理、運動をしていく必要があります。
糖尿病以外にも、全ての生活習慣病は血液血管に関わっています。高血圧は、降圧剤の使い方に注意しないと、血流が悪くなってしまいます。当店にも▼めまいがする、▼ふらつく、▼ボッーとする、▼物忘れがひどい−と相談に来られ、降圧剤の量をお医者さんに調整してもらい、改善したという例がよくあります。血流の悪い部分があるため、血管に圧をかけて全身に血を運ぼうとするのが血圧上昇のしくみです。血圧だけを下げると、血流が悪くなり各組織に血が届かなくなるため、機能が弱まってしまうことがあります。
《腎機能・心臓病予防なども幅広くサポート》
漢方薬には、毛細血管を丈夫にし、細い血管にも血液が流れるようにする働きをするものがあります。こうした生薬を使って、腎機能や心臓病の予防、糖尿病合併症予防、認知症予防などを幅広くサポートします。また、よく噛むということは脳の血流改善にとても良いとされています。食材は硬めに調理したり、噛み応えのあるものを意識し、よく噛んで食べましょう。硬い物を噛むことはストレス解消の効果があり、ストレスが減れば活性酸素も減るので、脳の老化も防ぎやすくなります。