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漢方コラム 15/313

Vol.300 腸菅免疫〜腸など粘膜で分泌される免疫物質を作るため、カギになるのが「腸」〜

《感染症を予防するために必要な免疫力》

今の時代に必要な「感染症を予防する力」をつけるには、腸内環境が非常に重要です。
免疫グロブリンIgA抗体(以後IgA)という、全身の粘膜に存在する免疫物質が様々な種類の病原体から私たちを守ってくれているのです。
 
IgAは腸の粘膜でも分泌されており、入ってきた病原体にとりつき、便として排出したり、マクロファージに食べられやすくしています。
IgAを作るためには、腸内細菌と腸の周りの免疫細胞の協力が欠かせないため、腸内環境を良くしておくことが必要です。

《免疫物質を作り出せるよう腸内環境を整えて》

胃腸の働きのことを東洋医学では「脾(ひ)」と言い、「脾弱(ひよわ)」の言葉通り、胃腸の働きが弱い人は虚弱体質になりやすく、抗体が作られにくくなります。反対に、胃腸が強い、腸内環境が良い人はIgAがたくさん作られるため、体が丈夫になるのです。胃腸の粘膜で作られたIgAは鼻の粘膜や乳腺の粘膜、特に女性の生殖の粘膜などに血液によって運ばれます。

IgAは特定のウイルスや細菌だけに反応するのではなく、さまざまな病原体に反応するといわれており、ウイルスの型が変異してもある程度カバーできると考えられています。自分の身を守るには、自分自身の免疫物質をきちんと作り出せるようにする必要があり、そのカギを握っているのが「腸」なのです。

《快食・快便だけでは「胃腸が強い」と言えない⁉》

毎晩ビールを飲んで、いつも下痢をしているという方は、せっかく腸でできた抗体が流れ出てしまっている可能性があります。腸を冷やさず、下痢症を治しておくことをお勧めします。胃腸が強いという表現は、たくさん食べられたり、腹痛・胃もたれが無い、快便というイメージかもしれませんが、それだけでは腸内環境が良いとはいえません。花粉症やアレルギー体質の人は胃腸症状が無くても、胃腸の粘膜機能が低下しているということです。腸内の環境悪化はアレルギー以外にも、自己免疫疾患、生活習慣病、精神疾患など様々な疾患と関係が深いことが分かっています。
 食品添加物や農薬、過度のアルコール、冷飲物、抗生物質などの医薬品、ストレスなどで腸内環境は悪化していきます。口にするもの、その温度に対しては充分に意識を高めていきましょう。
食の無関心は免疫力の低下を招き、万病の元となります。
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