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漢方コラム 17/313

Vol.298 若さの秘訣は腎の強化!〜若いうちからの「補腎」で腎の機能を高める〜

《「腎」は腎臓とイコールでなく幅広い機能と関係》
若さを保つことに、「腎」は大きく関わっています。中医学で「腎」とは、腎臓とイコールのものではなく、生殖・発育・ホルモン・免疫・泌尿器・自律神経などの機能とも深く関係していると考えます。その中に西洋医学でいう腎臓の意味合いも含まれています。
 腎臓は、血液から老廃物を回収して尿を作ったり、血圧を調整したり、ビタミンDを活性化することで強い骨を作ることなどが知られています。しかし、近年研究が進み、腎臓が赤血球の産生を促したり、長寿と関係の深い「リン」の体内調整を行うことから、腎臓が人間の寿命を左右する臓器と考えられるようになりました。中医学でも腎は「命門の火」であり、人間の生命そのものと考えています。老化に関わるトラブルの多くは腎と深い関係があります。

《耳や骨、髪、膀胱系などのトラブルに要注意》

腎は、お父さんお母さんから受け継いだ命の元なので、人により持って生まれた強さが異なり、生まれつき腎が弱いという体質の方もいます。また、加齢や日々の生活の乱れなどの影響で、後天的に腎の力が低下する場合もあります。
 腎が弱いと耳や骨、髪、膀胱系などにトラブルが起こりやすくなります。体全体の免疫力が低下して病気になりやすく、治りにくくもなります。腎の力を保つためには、消耗させないことと、補うことが重要なカギになります。
 補うとはどういうことかというと、漢方の「補腎薬」を用いて腎の働きを高めることを指します。補腎の分野は、中医学でもたくさん研究されています。中国の中医師の研究では、慢性腎疾患に従来の西洋医学の標準療法をした場合と、漢方薬を用いた場合を比べたところ、標準治療だけの場合は寛解率が60%だったのに対し、漢方治療を合わせた場合は95%という結果が出たそうです。ここで用いられている漢方薬は腎を補う補腎薬と血流改善の活血薬です。

《更年期を快適に過ごすため「補腎」を!》

 腎の意味合いは広く、実際は腎臓だけを指すものではなく、免疫強化や貧血改善、不妊症や生理不順、性欲減退、成長不良などもサポートすることができます。早くにホルモンバランスが崩れてしまった40代の方が補腎薬を継続して飲んだところ、ホルモンバランスが改善し、そのほかにも低いと言われていた骨密度がアップしたということもあります。腎と関係の深い骨も強くなった良い例です。
 更年期を快適に過ごすために若いうちからできることの一つが腎の強化です。特に女性は35歳を過ぎたらしっかりと補腎をしておくことで、その後の人生が大きく変わると言っても言い過ぎではありません。
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