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漢方コラム 18/313

Vol.297 生理期の過ごし方〜女性は1カ月の間に体内で大きくホルモンが変動〜

《子宮内環境を整え、血の道のトラブル回避》

  女性は1カ月の間に生理期、卵胞期、排卵期、黄体期があり、その都度体の中でホルモン変動が起こり、妊娠の準備を繰り返します。そのため、生理周期に伴って体調に変化が起こりやすくなります。特に生理期前後は体調の変化が出やすい時期です。生理期はいらなくなった子宮内膜を排出するという大事な時期。しかし、子宮が冷えていたり、体が疲れていると、きれいに子宮内膜が剥がれず、子宮がけいれんを起こして生理痛になったり、子宮内に残ってしまった子宮内膜で子宮内環境が悪くなったりします。これらは、生理期だけの問題ではなく、一生を通して血の道のトラブルを招きやすいため、女性にとって生理期をどう過ごすかは非常に重要になります。女性の健康は生理とともにあるのです。

《生活の中で身体を穏やかに温める工夫を!》

 生理前になると眠くなる、疲れやすい、風邪をひきやすくなる、という方は珍しくありません。これは、血液とともに気も消耗しやすい時期だからです。生理期は、子宮内のいらないものを排出するため子宮内の掃除をしなければならず、しっかりと滋養も取らないといけません。漢方では、生理期は子宮周辺の血流状態を良くすることでいらなくなった内膜をきれいに排出する処方をし、それと同時に消耗しやすい気と血液を補う処方を使います。
 子宮の血液循環が悪いと、月経血に塊があったり、血の色が黒い、生理痛がある、生理前になるとイライラする、情緒不安になるなどのトラブルが起こりやすくなります。生理期に冷たい物を飲んだり、シャワーで済ませたり、薄着で体を冷やすなどの行為は良くありません。温かいものを口にし、衣類や生活面でも体を冷やさない取り組みが必要です。辛い物は一見、体も温まるので良さそうではありますが、激しすぎる温めは陰血(いんけつ)を消耗しやすくなります。陰血とは体に必要な体液や血液のことを指します。なるべく、穏やかに温めましょう。冷やさない生活養生は生理期に限らず、全周期を通して気を付けたいポイントです。

《夜更かしや携帯の見過ぎはNG》

 生理期は血液が消耗する時期なので、早く寝てしっかり休養を取ることも大切です。夜更かし、携帯やタブレットなどによる目の使い過ぎ、ストレスなども血液を消耗してしまう原因です。体にしっかりと血液が満たされると、生理前後のトラブルもぐっと減ります。女性は特に、体調とメンタルの結びつきが大きいので、十分な血液があってこそ精神が安定することを理解しておくと、体調もメンタルもコントロールしやすくなります。
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