漢方基礎編 不妊 婦人科について 産後のトラブル・ケア 皮膚について 胃腸トラブル,便秘,痔 頭痛,めまい,耳鳴り,難聴 冷え,むくみ,ほてり 生薬について 子どもと漢方 鼻の症状,咳 食養生,薬膳 風邪,流感,花粉症 腰痛,神経痛,痺れ 低血圧 目のトラブル 季節の養生法 不眠,心のトラブル 生活習慣病 老化,尿トラブル
漢方コラム 22/313

Vol.293 くよくよしやすい 〜「 心身一如 」五臓と感情は密接な関係にある

《心の不安定は体に問題があるのかも⁉》

 東洋医学では「心身一如(しんしんいちにょ)」といい、心と体は深くかかわっているため、心の不安定は体に問題があると考えます。五臓と感情には密接な関係があり、心は喜び、肺は悲しみ、肝は怒り、脾は思う、腎は驚きと関係しています。喜びも過ぎれば心に負担をかけ、血圧が上昇するし、怒りは肝に負担をかけます。反対に肝の働きが低下していると怒りっぽくなります。女性は毎月生理があるので慢性的に血液不足ですが、生理前は特に肝臓の血液が不足しやすいので、イライラが起きやすくなります。肝血を増やし、肝の働きを高める漢方薬を用いると生理前のイライラは安定してきます。

《十分な血液で気持ちが安定》

 「細かいことが気になって、くよくよしやすい」という状態をみるときに中医学では「脾(消化器系)」の働きと「血」の不足に注目します。胃腸の機能が弱いと血を作る力も弱くなり、血液が不足しやすくなります。脾気虚(ひききょ)という胃腸機能が弱い体質の人は、血液が不足している状態です。血液が不足しているかどうかは、ヘモグロビン値だけでは判断できません。フェリチンの量まで測って確認したほうが良いでしょう。
 健康な精神状態は、十分な血液があってこそ養われます。血液が不足していると精神が不安定になりやすく、熟睡できないので睡眠に問題も抱えやすくなります。近年、脳血流とうつ病、パニック障害などの精神疾患との関連性も指摘されています。しかし、自分自身が血液不足だと認識している人は少ないと思います。

《胃腸が弱い人も要注意 まずは食生活改善を!》

 胃腸が弱いというのは、すぐに胃がもたれる、食べても太れない、胃下垂、食べると眠くなる、疲れやすい−という体質の方も含みます。
 痩せの大食いのような方もそうです。腸の働きが悪いので、便秘症の方も多いです。下痢、軟便もあります。線の細い痩せ型の方が多い傾向にはありますが、かならずしもそうとは限りません。思慮深く、繊細で感受性が強い人が多く、人によく気を配り、細かいことを考えることが得意な反面、考えすぎて落ち込んだり、思い悩みやすいという傾向があります。
 思い悩み、深く考えることは良いことでもありますが、体調や生活に支障をきたしてしまうほどの状態だと問題があります。
 中医学では胃腸の機能を高め、血を補い精神を安定させる漢方薬などを用いていきます。体の基礎作りとして、生活面では冷たい物や過食など胃腸に負担をかけないこと、山芋など胃の気を高めるものを摂ることに加え、寝不足やストレス、目の使い過ぎなどで血を消耗しすぎないことが重要です。しっかりと血を増やす食生活も意識しましょう。
ブヘサ中村固腸堂
石川県河北郡津幡町加賀爪ヌ58-2
Tel076-288-3721 Fax076-288-3721
営業時間 9:30〜18:30
定休日 月曜日、祝日、第2・4日曜日