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漢方コラム 23/313

Vol.292 血管が存在するのにうまく血液が流れない⁉〜ゴースト血管に注意〜

《血流が悪くなる瘀血(おけつ)は万病の元》
血管がもろくなったり、血管が存在するのにうまく血液が流れていかない「ゴースト血管」が近年問題になっています。

ゴースト血管研究の第一人者である大阪大学微生物研究所の高倉伸幸教授によると、「癌は低酸素状態の組織を好み繁殖する傾向がある。癌発生後、毛細血管の循環が悪い状態にあると抗癌剤がいきわたらず、十分な治療効果を得られない可能性がある」とのことです。

血流が悪くなることで病気が発生しやすくなり、また治りにくい、ということが指摘されています。癌以外にも、アルツハイマー型認知症や、加齢黄斑変性、骨粗しょう症など様々な疾患との関与を述べています。

血液の流れが停滞している「瘀血(おけつ)」は万病の元といわれ、婦人科トラブル、慢性病、痛み、不眠、できもの、癌などあらゆる疾患につながりやすいといえます。

各細胞に酸素と栄養を運んで、二酸化炭素と老廃物を回収するのが血液の役割です。血液の流れが悪くなる原因はいくつもあります。血液が汚れていて通りが悪くなったり、血液の量が少なくて流れが悪くなったり、ストレス過多で血管が収縮して流れが悪くなったりします。

《漢方薬をその人の性質・症状で使い分け》
漢方薬の中に、体の血管の95〜99%を占めるといわれる毛細血管を丈夫にする働きのあるものや、血流を良くする働きを持つものがあることが知られています。血流改善のため、漢方では駆瘀(くお)血剤(※)を使い、直接流れを良くするよう働きかけます。

どの部位に効くか、どんな性質があるかで使い分けることも必要です。例えば、末端の血流を良くしたり、下腹部、婦人科系、心臓、脳など部位により使い分けます。また、温めることで血の流れをよくする漢方薬もあれば、体に熱がこもる血熱(けつねつ)タイプには、血熱を取りながら血流を良くするという漢方薬を使います。

《瘀血(おけつ)のタイプを見極める》
瘀血は二次的なものなので、なるべく原因にアプローチしていくことが重要です。冷えからくる瘀血(おけつ)の場合は冷えを改善するものを用い、血液不足の方には血液を補うとともに、血を作る力を高める漢方薬を用います。内臓機能の低下による場合は内臓機能を高めるものを。血液がベトベト汚れているタイプには掃除するものを使います。

専門家に相談の元、自分に合う漢方薬を用いていきましょう。

※駆瘀血剤…瘀血(おけつ)を改善するための漢方処方
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