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漢方コラム 24/313

Vol.291 心身の安定に重要な役割を果たす睡眠〜自然に眠りにつけるよう漢方で身体を整える〜

《不眠や不安は血液≠ノ問題があるのかも⁉》
新型コロナウイルスにより、あらゆることが制限される生活が始まって一年余り。心身ともに健康状態が悪化し、「眠れない」、「イライラする」、「落ち込みやすい」というお声を店頭でよく耳にします。不眠や情緒の不安定は血流が滞る「瘀血(おけつ)」と関係が深く、十分な量の良質な血液を身体中に巡らせることが五臓の働きを正常に戻し、精神も落ちつかせてくれます。心身の安定を保つためには、良い睡眠をキープすることが重要なのです。

《入浴や朝の光も睡眠に影響》
人は、体の深部体温が低下することで眠りに入っていきます。その下がり幅が大きいほど眠りにつきやすくなり、深い睡眠がとれるということがわかっています。

入眠の1〜2時間前に入浴して体温を高めておくと眠りやすくなるのもそのためです。
43度以上などお湯が熱すぎると逆効果なので40〜 42 度でゆっくり温まるのが効果的です。お風呂上りに冷たいものを飲むと、せっかく温まった深部体温が下がるので要注意。冷え性の方は睡眠障害が起こりやすく、まずは冷え性を治すことが大切です。

体内時計がきちんと働いている人であれば、夜8時〜10時頃は一番深部体温が高くなり、眠りに適した時間といえます。体内時計は太陽光で調整されます。朝光を浴びると睡眠に関わるホルモン「メラトニン」の分泌が止まり、目覚めてから14〜16時間経過すると再び分泌されます。朝しっかり太陽の光を浴びることは大切なことだといえます。逆に、朝の光で早すぎる時間に目が覚めてしまう場合は、遮光の工夫をしましょう。

《血液不足やストレス・不安など細やかに対応》
漢方薬を用いるときは、それぞれの症状や体質に応じて細やかに対応します。血液が足りていない人は、▼なかなか寝付けない、▼中途覚醒が多くなる、▼夢を多く見て熟睡感が無い、▼くよくよ考える−などの症状が出やすく、睡眠やメンタルに大きく関わります。このタイプには血液を増やす力をつける漢方薬が有効です。うつ・不眠は脳内の血流低下と関与するため、血流障害にも注意します。ストレスによる精神疲労が強いタイプには、気の高ぶりを鎮めて精神を安定させ、副交感神経を優位にすることで眠りの質を高める漢方薬を使います。

その他のタイプにも、その人の状態や体質に応じて処方を行います。薬の力で無理やり眠らせるのではなく、本来あるべき自然な眠りを得られる状態に、体を整えていくことが目的です。

睡眠に必要な神経伝達物質は、アミノ酸やブドウ糖を原料としてミネラル・ビタミンの働きにより、脳内で合成されます。こうした栄養素をサポートすることも重要です。
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