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漢方コラム 34/313

Vol.281 体内時計〜時計遺伝子が体温やホルモンなどを調整〜

≪「体内時計と遺伝子」の研究にノーベル医学・生理学賞≫

「生命は地球の自転に同調し24時間周期で変動しており、それは遺伝子によって体内時計が調節されている」という体内時計に関して、2017年にノーベル生理学賞・医学賞が贈られています。その臓器が最も働くべき時間にピークを迎えられるようにするための時計遺伝子というものが存在し、時間に合わせて体温を調節したり、ホルモンの分泌が変化しているのです。

ちなみに中国伝統医学では、約2000年前からすでに人間の体は24時間周期で2時間刻みに五臓六腑が交互に働くと考えられてきました。
例えば、朝の5時〜7時頃は大腸の働きがピークになるため、この時間に排便があるという方も多いのではないでしょうか。また、朝の3時から5時は肺が活発に働く時間で、この時間にきれいで新鮮な空気を吸い軽い運動をすると肺の機能を高めるのによいとされ、早朝に静かな公園や庭先で行われる太極拳はまさに理にかなっています。一方で、喘息の方にとっては発作が起こりやすい時間帯でもありますので、良くも悪くも影響が出やすい時間と捉えます。

≪中医学は2000年前から時間周期の内臓の働きに着目≫

夜の11時から1時までは胆経が旺盛な時間。この時間は胆汁の新陳代謝が最も盛んになる時間帯のため、長期にわたってこの時間に寝ていないと肝炎や胆嚢炎、胆石を発症しやすくなります。すでに肝臓や胆嚢の病気にかかっている人は必ずこの時間には寝ているようにしましょう。また、夜中の1時から3時は肝系の時間なので、その時間までお酒を飲んでいると肝機能にまで負担をかけます。この時間に起きているというだけでも肝機能が低下するので、遅くとも11時までにはぐっすり眠っていることが重要です。

≪早寝早起きの生活リズムが体内時計の周期守る≫

睡眠こそ、体内時計が顕著に体感できるものではないかと思います。不眠が続くため、寝れるときに昼でも夕方でもちょこちょこ寝ているという方もいますが、寝る時間がバラバラだと、体内時計が狂いやすいので、しんどくても一日起きていて、眠れなくても21時に布団に入るというリズムを繰り返すことが重要です。夜勤のある方が体内時計を狂わさない方法は、夜勤の翌日もなるべく起きて、その日の夜に早寝をすることが成長ホルモンの分泌時間に深い眠りになり一番体が回復しやすいようです。

また、体内時計は実は24時間きっちりではなく少し長い周期になっていて、主に太陽光などの光によって時刻情報を伝えて調節されているので、夜遅くまで明るい場所にいることや、スマホやTVなどの明るい光が脳に刺激を与えることは体内時計が乱れ、ホルモン分泌等に狂いを生じてしまいます。自然のリズムに従い生活することが健康の第一歩ということです。
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