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漢方コラム 36/313

Vol.279 血管の炎症と新型コロナウイルス〜しなやかな血管と質の良い血液の循環が病気予防の基本〜

《血流が滞る「瘀血(おけつ)」体質の人は注意!》
 
新型コロナウイルスは、感染から15日を過ぎたあたりで回復に向かう人と、重症化する人に分かれていくようです。重症化のプロセスとしては、自己免疫がウイルスに過剰に反応して血管に炎症を起こす→炎症で血管壁が傷つけられ、血栓ができる→血栓が全身に発症することで重症化する、というのが大まかな流れです。
 
新型コロナウイルスは全身の血管を攻撃し、血管炎を引き起こすといわれています。重症化しやすい人は血管炎症が起こりやすい状況にある人で、肥満、慢性疾患(肺疾患、心疾患、高血圧、糖尿病など)のある人、高齢者 − と発表されています。これらは東洋医学でいう瘀血(おけつ)、血流が悪いまたは血液が汚れているという体質が深く関与していると思われます。


《健康に大きな影響!細い血管の流れ「微少循環」》

人間の血管の長さは繋げると地球2周半にもなり、そのうち大血管は1%、毛細血管が99%を占めています。微小循環と呼ばれる細い血管の流れは健康に大きく影響します。「私は血液サラサラの薬を飲んでいるから大丈夫!」と安心することはできません。太い血管には良くても、微小循環まで良くする働きは無いからです。
 
肺、心臓、肝臓、胆管、腎臓、脳、腸、皮膚、胎盤などの臓器も細い血管の集まりです。「血管力」を高めるには、血流さえ良ければいいというものではありません。血管、血液、臓腑機能を総合的に捉えることが必要です。これは新型コロナだけにいえることではなく、あらゆる病気予防において重要です。


《日ごろから予防意識を高めて規則正しい生活を》

血液は酸素と栄養を運び、二酸化炭素と老廃物を回収します。細い血管に血液が届かなくなれば、その先にある器官や臓器には老廃物がたまり、病気の根源となってしまいます。
 
丹参(たんじん)などの生薬を用いた漢方の活血剤(かっけつざい)は、微小循環改善の働きがあることが分かっています。 それは免疫を調節する作用や、抗炎症作用、血管内膜を保護する作用、血液を固まりにくくし、血栓を予防する作用があるためです。血管をしなやかに保ち、血液の質と流れを良くし、各臓器が正常に働くように体を整えることが病気の予防をする上で、たいへん重要なポイントです。
 
それには常日頃から予防意識を高めることが大切です。規則正しい生活習慣、冷たいものや甘いもの、油っこいものの過食を避けるなどすぐに始められることから生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。
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