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漢方コラム 39/313

Vol.276 「新型コロナウイルスに葛根湯」の注意点

新型コロナウイルスの流行に伴い、葛根湯がコロナウイルスに良いという噂が広がって、薬局の棚から葛根湯がなくなる現象が各地で起こっているとか。しかし、葛根湯の使い方には注意が必要です。
 
一番注意しなければいけない点は、葛根湯を予防のために毎日飲んでいるというケースです。しかし、葛根湯は予防薬ではありません。本来長期使用すべき処方ではないため、体力のない人が毎日飲んでいると、むしろ体力を低下させ、風邪をひきやすくする恐れがあります。
 
予防のために、葛根湯を毎日飲むことはやめましょう。
治療と予防は用いる処方が違います。予防のために用いると良い漢方薬は、ほかにもっとありますので、自分の体質に応じたものを専門家に提案してもらいましょう。
 
風邪症状の中で、寒気や背中のこわばりという症状があった場合においては、葛根湯が有効です。寒気やこわばりがあり、汗がかけていない時には飲むとよいです。漢方薬は病名ではなく症状に応じて使うことが基本です。予防的に飲むのでなく、ひいた時に使うとよいです。
 
コロナウイルスはこれまで6種類が見つかっており、新型コロナウイルスが7種類目。
風邪の原因の10〜15%は、新型コロナウイルスが原因ともいわれています。どの種類であったとしても、寒気からくる症状があれば葛根湯は力を発揮しますし、喉が痛くて発熱がある場合は炎症を取るような漢方薬を用いていきます。特に新型コロナウイルスに感染すると突然の高熱が出たりしますから、その時は葛根湯単独で用いるよりも、例えば石膏剤や柴胡剤など、そのほかの漢方薬を組み合わせる必要があります。
葛根湯だけで治ると誤解されやすいので注意が必要です。症状に応じた漢方薬を用いることが最も重要なのです。
 
なぜか、「風邪薬といえば葛根湯」というイメージが独り歩きしているような印象を受けます。風邪に用いる漢方薬は、ほかにたくさんあります。寒気がするのか、喉が痛いのか、熱があるのか、鼻水が出るのか、咳がでるのか、胃腸風邪なのか、初期なのか中期なのか、などによって、細かく使い分けてこそ、効果を発揮します。慢性病と違い、風邪は一日の中でも症状が変わりますので、この使い分けが重要 になります。
 
漢方薬は慢性病に用いると勘違いしている人も多いようですが、即効性のある処方もたくさんあります。正しい使い方をすれば、風邪はスッキリ治ります。本来の効果を発揮するために、正しい使い方で予防&治療をしていきましょう。
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