漢方コラム
◀
40/313
▶
Vol.275 ホットフラッシュ〜閉経前後に女性ホルモン乱れてほてりや発汗、のぼせ〜
ホットフラッシュは、 閉経前後に女性ホルモンの分泌が急激に減り、血管や汗のコントロールをする自律神経のバランスが乱れることにより起こります。気温が高くないのに、頭が汗でビショビショになる、汗が止まらない、すぐにカーッとのぼせるなど、「ほてり」「発汗」「のぼせ」の症状が特徴です。一般的にはホルモン治療が行われますが、漢方薬が有効な例もあります。
50歳女性がのぼせて汗が止まらないと相談に来られました。知人にもらった紅参を飲んでいると言われたので、「人参にはたくさん種類があり、紅参はのぼせるタイプには合いません。今の身体には西洋人参のほうが良いですよ」と説明。
大元の原因である腎陰不足(ホルモンをつかさどる腎の冷却水不足)を改善するための補腎陰の漢方薬と、自律神経とホルモンバランスを整える漢方薬の合わせて3種類を提案しました。
1か月後の来店時には汗もほてりも楽になり、睡眠も深くなったとのこと。この方は、元々目も肌も口も乾きやすく、舌を診ると潤いの目安となる苔が少ない、陰虚(潤い不足)の状態でしたが、西洋人参と補腎陰の漢方は潤いを改善する作用もあり、そちらも改善したとのことでした。ホットフラッシュに寝不足と辛いものはNG。
また、ホットフラッシュで暑いからといって体を冷やすと卵巣機能が低下し、余計に体調が悪くなります。冷却水を増やすことでほてりを取るという漢方ならではの方法は、その後の老化予防にも繋がります。
効果の出方や、用いる漢方薬は体質により異なるので必ず専門家に相談の上、自分に合った処方を用いることをお勧めします。