漢方コラム
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Vol.272 脳血流を良くするための食養生(認知症予防の第一歩)〜食べ過ぎは脳血流低下、咀嚼は脳血流UP!〜
2015年の認知症高齢者数は462万人、65歳以上の高齢者の7人に1人の割合ですが、2025年には5人に1人に上がるといわれています。常日頃から脳の血流を良くしておくために、誰でもすぐに実践できるのが食養生です。
一日で一番頭が冴えているのは空腹時です。お腹の減り過ぎは良くないので、適度な空腹であることがポイント。お腹がいっぱいになると、眠くなったり、集中力が低下したりするのは、消化器官に血液が集中するためです。
▼常に食べている
▼いつもお腹いっぱい食べている
▼空腹状態がない
という生活をしていると、脳がボーっとする時間が増えて脳の栄養失調が起こり、老廃物が溜まりやすくなるため老化が進みます。
また、「噛む」ことは脳にたくさんの利点をもたらします。
1つ目は唾液が増えて消化を助け、毒消しの効果があります。
2つ目は過食予防。胃腸の負担が減り、脳をボーっとさせる時間の減少につながります。
3つ目は脳血流のアップ。よく噛むことは脳の運動になります。
4つ目がストレス解消。硬いものを噛むと 脳血流が良くなり、リラックス効果があります。
脳血流を良くする代表的な漢方生薬に「丹参(たんじん)」があります。
先月も紹介しましたが、脳の活性酸素を除去し、脳を老化から守ります。
細かい血管の微小循環にまで血液を運ぶ力があり、血液と血管を守るとても良い生薬です。太い血管だけでなく、細い血管の隅々にまで血液が流れるようにしておくことが重要です。日々の養生に加え、生活の中に生薬の力をうまく取り入れてみてください。