漢方コラム
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Vol.266 風邪・インフルエンザ予防
季節外れのインフルエンザが流行しています。9月に学級閉鎖になる学校も出ました。まだ心の準備ができてない時期に流行し、受験生を抱えるご家庭や、小さな子、病気の方がいるご家庭など皆さんご心配なことでしょう。
流行は年々早まっているようで、熱中症対策でエアコン普及率が高まったことも関係しているのではないか−という見方もあるようです。
風邪・インフルエンザ予防は免疫力を高めることが何よりも効果的な方法ですが、具体的には「皮膚・粘膜の免疫力を高める」ということが重要です。普段から「疲れやすい」「息切れしやすい」「鼻血が出やすい」「冷たい風に当たるとくしゃみ鼻水が出やすい」「汗っかき」「蕁麻疹(じんましん)など皮膚に炎症が出やすい」という体質の人は皮膚粘膜が弱い「衛気虚(えいききょ)」という体質です。ウイルスは粘膜から侵入しますから、このような体質の場合は特に、粘膜強化のために衛気虚を改善する漢方薬を用いていくと風邪にかかりにくくなるほか、前述したような症状も改善しやすくなります。腸も粘膜でできているため、冷たいものや甘いもので腸の力を低下させないことも重要です。
このような方法が防御の「鎧」だとするならば、「剣」の役割をするのが「板藍根(ばんらんこん)」です。板藍根は植物が持つ自然の力で、ウイルスが出す毒素を中和させる抗ウイルス作用を発揮するほか、のどの炎症を和らげるなど、風邪・インフルエンザの予防&治療に大活躍します。お茶として普段から飲めるところがいいですね。予防効果が高いことでも知られ ており、万が一かかっても重症化しにくいため、心強い存在です。