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漢方コラム 50/313

Vol.265 慢性炎症〜つづき〜

前回、万病の元になる「慢性炎症」について書きました。慢性炎症とは、軽い炎症が長期間続くことにより組織の機能障害などを引き起こすもの。悪性腫瘍をはじめとするほとんどすべての病気に慢性炎症が関与しているということが分かってきています。そのため慢性炎症を抑制して病気予防し、進行を防ごうと、新薬の開発が進められているそうです。ただ、副作用の心配があるため、副作用を最小限に抑え、効果を出すことが大きな課題となっているようです。
 
いかに体に負担をかけず、治療効果を出していくか −。これこそが漢方薬の力の見せ所ではないかと思います。慢性炎症は中医学でいうところの血流が悪くなっている「瘀血(おけつ)状態」、老廃物が長期間停滞し、溜まっている「痰湿(たんしつ)状態」に当てはめて考えることができます。何千年も前のはるか昔からその治療に取り組んできた、知識の集積が中医学にはあるのです。
 
中医学は予防医学です。いわゆる慢性炎症に当てはまる脳卒中、双極性障害、統合失調症、偏頭痛、アルツハイマー型認知症、狭心症、心筋梗塞、慢性胃炎、慢性肝炎、慢性膵炎、慢性腸炎などは「瘀血」「痰湿」の概念を含みます。

慢性病の予防・治療においてお血と痰湿の改善は重要な点であり、実際に漢方薬は血管病、心疾患、脳血管障害などの治療と予防に大きな力を発揮しています。瘀血や痰湿改善に使われる漢方薬は一つではなく、たくさんの種類があります。体質や症状によって細やかに使い分け、その方に合う処方ができるのです。未病の段階から「瘀血」「痰湿」に対応できる漢方薬を試してみられてはいかがでしょうか。
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