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漢方コラム 51/313

Vol.264 さまざまな病気に関わるやっかいな慢性炎症

「慢性炎症」はあらゆる疾患のほとんど全ての病理過程にみられ、この慢性炎症こそがさまざまな病気に関わっていることが現代医学において分かってきました。
 
慢性炎症が発生しているところは低酸素状態になります。これは中医学では瘀血(おけつ)にあたり、瘀血や痰湿(たんしつ)を万病の元と考えます。瘀血は血流が悪い状態、痰湿は悪いものを体にたくさんため込んでしまう状態のこと。結果的に細胞が低酸素状態になり、さまざま疾患へとつながります。
 
例えば、悪性腫瘍は慢性炎症から始まるといわれます。長期間炎症刺激があることで細胞分裂が盛んになり、炎症で発生する活性酸素の毒性が細胞外環境を破壊することで異常分裂が起こり、癌が発生するようです。慢性炎症はほかにも、動脈硬化、パーキンソン病、アルツハイマー型認知症、躁うつ病、睡眠障害、自己免疫疾患、心臓、呼吸器系、消化器系、腎臓、肝臓、あらゆる臓器に関わる疾患に関与します。いわば慢性炎症が万病の元といえるのです。急性炎症は腫れ、熱感、痛みを伴いますが、慢性炎症 の場合はあきらかな炎症症状はなく、低レベルの炎症が長く続いて組織の障害を引き起こします。
 
原因は大きく分けて3つ。1つは遺伝。遺伝的に免疫不全であると自己免疫反応が起こりやすく、慢性炎症の原因に。2つ目は老化。3つ目は生活習慣。特に、内臓脂肪と高血糖は慢性炎症の主原因ともいわれます。
 
お血・痰湿を早期に取り除き、瘀血・痰湿にならないようにするには、生活の質の向上が必要です。実は生活改善が万病予防のキモ≠ニいっても過言ではないのです。
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