漢方コラム
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Vol.263 秋の空咳は夏の胃腸機能の低下が原因かも
夏の疲れを秋に引きずると、空咳につながることがあります。
五臓は、肝→心→脾(消化器系)→肺→腎(→肝に戻る)の順でつながっており、親子の関係にあります。肝が親で心が子。心が親で脾が子、というように。夏は心や脾(消化器系)の負担が増える時期なので、冷たいものの摂り過ぎなどで胃腸機能が低下したまま秋を迎えると、脾の子である肺のダメージになります。また、エアコンのきいた部屋にずっといたり、逆に汗のかきすぎで体内の潤いが低くなると、乾燥を嫌う肺は機能低下しやすく、「なかなか治まらない咳」などの症状につながります。
中医学では、五臓と味には関係があり、肝は酸味、心は苦味など、「適用ならば働きを助け、過度ならばその臓器を傷つける」と考えます。肺は辛味と関係します。ネギや生姜などの辛味を適量$ロると肺の機能は高まります。けれども、暑気払いとして激辛のものを食べ過ぎると肺に悪影響を与え、咳トラブルが起こりやすくなります。
今のうちに疲れた胃腸機能を回復させ、体液を増やしましょう。胃腸は温めると働きが高まります。胃腸の中の温度は37度くらいで、その温度が一番酵素が働く温度といわれているので、まずは胃腸を温めて!
体温より温かいものを摂るよう心がけ、ジンジャーパウダー、カレーパウダー、シナモンパウダーなどを取り入れると胃腸の働きを助けてくれます。お腹に湯たんぽを置くのも良いですね。それでもスッキリしないときは漢方薬を取り入れると回復が早まります。フルーツは体を冷やす印象がありますが、梨は肺を潤し、体液を増やしてくれるのでオススメです。