漢方コラム
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Vol.258 不妊症 〜卵子の質〜
不妊の原因は様々ですが、卵子、精子がよい状態であって初めて質の良い受精卵ができます。そのためには女性、男性ともによい卵子と精子を作れる体であることが大切です。
精子はその都度新しく作ることができるのに対し、女性は卵子になるための細胞を一生分持って生まれてきます。産まれたときは200万個ほどあると言われており、それがどんどん減って、生理が始まる頃には20万個、その後も生理の度に1000個は減っていくそうです。
卵子には限りがあるということです。そして卵子も女性が歳を重ねた分歳をとっていくということです。原子卵胞が歳を重ねていく分、染色体異常が増えたり、卵子の質の低下がみられます。
現在はAMH(抗ミュラー管ホルモン)といい、おおよその卵子の在庫を調べる検査があります。年齢の割に数値が低ければ、残りの数は少ないということになりますが、決してイコール妊娠力を示すものではありません。しかし、とても元気、とも言えないということになります。若い頃に無理をしたり、体調不良や、排卵誘発剤を長期使うことなどによっても減っていきます。
原子卵胞という卵子になるための細胞が卵子になるまでは6か月ほどかかります。その間の体の環境をよくすることで卵子の質を高めることは可能です。現代医学の治療はこの分野をサポートする方法は今のところありませんが、漢方を始めとする東洋医学はこの点においてアプローチが可能です。
当店でも実際に、30代前半の方がAMHが低く、40代と言われショックを受け、体外受精を視野に入れていましたが、漢方での体作りの末自然妊娠した例があります。できる限り卵子の減少をとどめて、少しでも質を高くしておくということが大切になっていきます。