漢方コラム
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Vol.256 〜瘀血(オケツ)は万病の元〜血液は身体のガソリン 質・量・流れ適切に
人間は血液無しでは生きられず、内臓や各器官が正常に働くかどうかも血液の「質」と「量」と「流れ」にかかっています。
中医学では血液や血管に問題があり、血液の流れが悪くなる状態を「瘀血(おけつ)」といいます。瘀血は婦人科疾患、不妊症、生活習慣病、神経痛、肝臓病、心臓病、腎臓病、自律神経失調症などあらゆるトラブルに深く関与しているため、万病の 元〞となります。
車でいうガソリンが人間の血液です。ガソリンに不純物が含まれていると車が壊れます。体も同様で、血液に老廃物がたくさん含まれていると各臓器や器官は調子が悪くなってしまいます。
寝不足が続くと頭痛がしたり、体がだるくなったり、抵抗力が落ちるのは、寝ている間に血液をきれいにしてくれる肝臓の働きが鈍くなるからです。
全身を巡って栄養と酸素を送り届けた血液は、二酸化炭素と老廃物を回収して肝臓に帰ってきます。肝臓の働きが活発になる 23 時〜1時の時間帯に熟睡していることが重要です。いつも遅く寝ている人や、夜中に目が覚めたり、熟睡できていない人は瘀血体質になります。
現代人は肝臓が疲れています。睡眠の問題以外にも、アルコールや医薬品、化学物質や飲食不摂生、ストレスなどで肝臓の働きが低下していると、血液がきれいに掃除されないまま全身を巡ることになります。
瘀血改善には活血薬といい、血流を改善する漢方薬が用いられますが、瘀血改善には質の良い睡眠を確保すること、肝臓の働きを高めることも同時に整えていく必要があります。睡眠障害、肝機能障害などに対しても漢方薬は有効です。