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漢方コラム 65/313

Vol.250 喘息(ぜんそく)〜肺だけでなく全身の状態体質をみる 「同病異治(どうびょういち)」一人ひとりに合う治療法を!〜

中医学でぜんそくを考えるとき、臓腑では主に肺を診ますが、原因は肺ばかりではなく、情緒の失調(ストレス)からくるものや、食べ過ぎなど胃腸機能低下によって症状を悪化させる場合もあります。原因によっては漢方薬で気の流れを整え、消化を助け、胃腸機能を高める処方で改善を図っていきます。
 
また、呼吸は腎の働き(肺は呼気を主り、腎は吸気を主る)とも深い関係があり、腎機能の低下や冷えでも「ぜんそく」や「慢性の咳症状」は悪化します。
東洋医学では「久病は腎に及ぶ」という言葉があり、 病気が長引くと腎に悪い影響を与えます。慢性的、または体質的に腎が弱い人は注意が必要です。このように、ぜんそくは肺や腎など全身の状態を診ていくことが重要なのです。
 
先日、7歳男子のぜんそくのご相談がありました。
このお子様の場合、お母様が6年以上もぜんそくでお悩みのところ、当店の漢方を服用したところ10日もかからず劇的な改善が見られ、その流れで幼少の頃よりお悩みだったお子様のぜんそくに関してもご相談くださいました。

ステロイド吸入、気管支拡張剤、抗ヒスタミン剤、気管支収縮抑制剤などでは良くならず、プールにも通って頑張っていらっしゃいました。
けれどもプールに行った日の方が余計に咳がひどい気がするとのことでした。暖かいところから寒いところ行くと咳が出やすいと症状があり、腎の冷えはぜんそくの悪化に深く関係があることを説明し、体質に応じた漢方薬をお渡ししました(←お母様とは全く異なる処方を提案しました/主治:お母様ー養陰清肺、お子様ー降気平喘)。

後日、「びっくりするほど良くなりました!」とのご報告があり、聞いてみると、思い切ってプールを休会し、漢方を飲んでアイスなどの冷たいものを控え、日頃から腹巻をして腎を冷さないように養生をしたことが改善に繋がったようです。
お母様もご家族の方も本当に驚いていらっしゃいました。
もちろん医師も、プールのインストラクターの方もプールを続けた方が絶対に良いとのアドバイスでした。
 

悪化要因はさまざまで、皆一様に良い方法があるわけではありません。



東洋医学では、


『同病異治(どうびょういち)』(同じ症状でも体質や原因が異なれば、全く違う治療を施す)



というように、 同じ病気でも必ず一人ひとりの体質に応じて治療法を探る必要があります。

今回のぜんそくにしても、親子で全く異なる処方を出し、それぞれにあった養生法を提案し、実践して頂けたことが良い結果を生んだと言えます。
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