漢方コラム ◀ 68/313 ▶

Vol.247 ストレスによるめまい～検査では異常なし！どうしたらいい？！～

「忙しくて目が回る」という表現がありますが、実際にストレスからくるめまいの相談はよくあります。この時期は年末にむけて仕事や家事などやることがいっぱいで、皆さんとてもお疲れです。
　
中医学では、めまいに関する細かい分類があり、体の状況に応じて漢方薬を変えます。回転性のめまい、ふわふわめまい、立ちくらみ。めまいといっても様々で、原因もそれぞれ異なります。中でもストレスが起因のめまいは「肝陽上亢（かんようじょうこう）」に属します。精神情緒を司る肝の気が上昇し、めまいや不眠、頭痛、耳鳴り、目の充血など頭部の症状が出ます。
　
ここでストレスによるめまいで、良くなった例を紹介します。仕事と家庭を何年も両立させ、自分に目を向ける時間がなく、ずっとめまいや頭痛があった50歳女性の相談です。病院の検査では異常なし。使ったのは、肝の経絡の流れを整えて頭部に鬱結（うっけつ／ふさがり、滞ること）したのぼせを取り、めまいを鎮める漢方処方です。２週間で劇的に良くなり、夜間覚醒も改善。繰り返していた下痢と便秘も快便になったとのことでした。

20代女性の場合は、仕事が夜遅く、ストレスも過労もひどい状態。仕事を休んだものの改善せず、来店されました。この方は内臓の気や血の不足もみられたので、気血を補い、肝陽を鎮める漢方薬をお出ししたところ、２週間で良くなりました。
　
改善までの日数は個人差があり、時間がかかる場合もあります。漢方では体全体のバランスを整えることで症状の緩和へと導いていきます。