漢方コラム
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Vol.242 温度差に弱い!くしゃみ鼻水〜非アレルギー性鼻炎〜
寒くなってくると、朝布団から出た途端にくしゃみや鼻水が止まらないという方がいます。そんな方は一般的な鼻炎ではなく、非アレルギー性鼻炎(血管運動性鼻炎)かもしれません。
症状としては一般的な鼻炎と同じなのですが、ダニや花粉など特定のアレルギー物質に反応しているものではないため、検査をしてもアレルギー反応は出ません。
非アレルギー性鼻炎は、「温かいところから寒いところに移動した途端に…」、「寒い日に温かいうどんを食べると…」など、主に温度差による刺激で起こります。そのほか、たばこの煙やストレスなども誘発の原因となります。
鼻の粘膜の血行異常が関与しているともいわれ、血管運動性鼻炎とも呼ばれています。西洋医学ではカプサイシンが非アレルギー性鼻炎に良いという研究データがあり、以前海外のテレビ番組の中でも、宇宙空間で鼻の内側の血管が充血によって起こる鼻づまりに、カプサイシンを宇宙食に活用して、鼻づまりを予防するといった内容があったくらいです。中医学でも同様に鼻の粘膜の血行不良を改善していく漢方薬を用います。
併せて鼻の粘膜が弱く、外的刺激に敏感な「衛気虚(えいききょ)」という体質改善をしていくとより効果的で、黄耆(おうぎ)という生薬を使って、皮膚粘膜のバリア力をアップする力を図っていきます。一時的な対処法としては、鼻の部分をホットタオルやカイロで温めると良いでしょう。このタイプは冷えに弱いため、普段から冷たいものでなく、温かいものを口にすることを習慣づけていくことも重要です。