漢方コラム
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Vol.239 現代人の肝臓は疲れている!心にも目にも影響が!
現代人は肝臓が疲れている人が多いようです。肝臓というと、お酒による負担、医薬品や化学物質に影響をうけるイメージが強いと思います。しかし、それ以外にもストレスと寝不足などが原因になる場合があります。
東洋医学でいう「肝(かん)」とは、西洋医学でいう肝臓だけを指すわけではありません。自律神経系や精神情緒と関係が深く、目や筋肉とも関連づけて診る必要のある臓器だと考えます。
肝はストレスによるダメージを受けやすい臓器です。疲労やストレスで 「まぶたがピクピクした」という経験のある女性も多いのではないでしょうか。これはストレスで肝に負担がかかっているときのほか、肝の血液が不足しているときに起こる症状で、肝と関わりの深い目と筋肉にトラブルが出てしまった状態。生理前にイライラしやすい、胸がはるというのも肝のトラブルです。肝の働きが正常でない時にはイライラしたり、怒りっぽくなったり、情緒不安定になります。また、胸や脇は肝の経絡(ツボとツボをつなぐ線路)が通っているため、肝の気の巡りが悪いと胸がはりやすくなります。
肝臓は睡眠中に血液をきれいにして、老廃物を処理します。良い睡眠がとれるとスッキリするのはそのため。不規則な生活をすると、蕁麻疹や湿疹がでやすくなったり、寝起きが悪くなかなか疲れが抜けないという人もいます。漢方では個々に応じて肝の働きを正常にサポートしていくことが可能です。