漢方コラム
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Vol.238 不妊治療〜よい卵胞を育てるために漢方ができること〜
不妊治療をしている方から、「今回、卵胞がきちんと育たなかったんです」「体外受精をしているのですが、最近良い卵子が採れないんです」という相談をよく受けます。
多くのケースで@元々卵巣の働きが良くない、A年齢とともに卵巣機能が低下している、B排卵誘発剤などのホルモン剤によって卵巣が疲れている―などが考えられます。
@の場合、漢方で身体を整えると、半年、あるいは早い人になると3カ月ほどで、卵胞が正常に育ち始めます。排卵誘発剤の使用当初は卵子が育っていても、そのうち生理が乱れてくることがあります。
Aのケースは、良い卵胞が育つように漢方でサポートすることが可能です。年齢だけで体を診るのではなく、卵子も細胞の一部ですから細胞を活性化させるアプローチをすれば状態が良くなります。
Bの場合、卵巣が腫れたりしない限り、排卵誘発剤を使い続けることが多いようです。卵巣は卵胞をたくさん作ろうと働き続けて疲れ切っている状態。少なくとも3か月、できれば半年ほどはお休みしする勇気が必要です。
漢方薬を用いるメリットの一つとして、「疲れた卵巣の機能を早めに回復させる」というものがあります。卵巣の疲れを癒やして、正常に働くようサポートするということです。漢方薬を飲めば妊娠するということではありません。どんなケースでも簡単にいくわけではなく個人差もあります。不妊に悩んでおられるなら、漢方をうまく活用して、基礎妊娠力を高めることを考えてみられてはいかがでしょうか。