漢方コラム
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Vol.237 夏の冷え性〜猛暑であればあるほどひどくなる夏の冷え!〜
冷え性や冷えによる諸症状の相談は一年中ありますが、実は夏が一番多いのです。暑ければ暑いほど、クーラーや冷たい飲み物で体を冷やしてしまうからでしょう。これだけ猛暑日が続くと、普段は冷えに気を付けている人でも、エアコンや冷たい飲み物などで冷やし過ぎて、夜になってからお腹やお尻がすごく冷えているのが分かると いう人も多いです。
体を冷やすと、腰痛の悪化、生理痛、便秘、食欲低下、むくみ、足のだるさ、手足の冷え、頭痛などの症状が起こりやすくなります。冷えは血行不良を招き、内臓の働きを低下させてしまいます。夏場の便秘の多くは「胃腸の冷え」によるものです。
夏の冷えは男性にも多いんですよ。「舌診」をしてみると、相談者の奥様よりご主人のほうが舌が白い!ということがよくあります。舌が白いのは冷えのサイン。苔の白さではなく、舌の土台の色を診ます。お話を聞いてみると、ほとんどの人が日中は冷たい飲み物を飲み、夜は冷えたビールをゴクゴク。これは内寒(ないかん)といって、冷たいもので内臓が冷え た状態。手足が冷たいなどの症状が無く、無自覚に冷えている場合も。お風呂で温まっても、内臓の冷えはなかなか取れません。
どこに症状が出るかは人によって異なります。漢方は胃腸の冷え、子宮の冷え、腰の冷えなど部分的に冷えを取り除いていきます。東洋医学では「冬の病気は夏作られる」といいます。夏の間の冷えをそのままにしておくと、秋冬にガタッと体調を崩してしまうことがあります。冷やし過ぎに注意し、夏の冷えは夏のうちに取り除いておきましょう。