漢方コラム
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Vol.236 夏バテ予防のポイント
夏バテを起こす原因にはいくつかあります。
天候変動による温度差、エアコン、冷たいものによる胃腸機能低下、高い湿度など。
実は、ただ暑いだけならきちんと水分補給さえすれば、それほどバテません。がしかし、湿度が高いととたんにバテやすくなります。特に胃腸機能が低下している人や胃腸虚弱の人は湿度に弱いため、食欲の低下や頭重感、だるさなどが出てきます。
夏バテ予防のポイントは胃腸機能を低下させないこと〞です。胃腸は除湿機の働きをしているので、胃腸を強くしておくと体の水はけが良くなり、多湿環境でもバテにくくなります。熱中症も気になるところですが、除湿機能を持つ胃腸にとって、夏の ”過剰すぎる" 水分摂取は、機能低下を招くのであまりお勧めできません。こまめに適量で摂ることがポイントです。
また、暑いと冷たいものを口にする機会が多くなり、胃腸機能が低下→食欲低下→だるい→疲れやすい、というパターンに陥りがち。皮膚表面の熱を冷ましても、胃腸を冷やすのはタブーです。1日に何度も体を冷やすことで、体温上昇を繰り返し、かえってエネルギーの消耗を起こし、より疲れやすくもなります。
冷たいものを摂り過ぎたときは温かいお湯を飲んだり、お腹を湯たんぽで少しでも温めると◎
食欲低下がひどい時は漢方薬を合わせると早く回復します。
また、エアコンをつけっぱなしで寝てしまった翌朝の体のだるさ、汗のかきすぎによるだるさなども夏の体調不良です。麦味参顆粒(ばくみさんかりゅう)という漢方薬は、汗で失った体液をいち早く補給し、内臓の元気を回復し、自律神経の乱れを整える、という働きがあります。そのため、「夏バテが心配」という人のお守り〞のような漢方薬の一つです。即効性があるタイプなので、比較的早くだるさを取り除き、内臓の働きを復活させることが可能です。