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漢方コラム 83/313

Vol.232 現代人に多いひからび腸〜どんなに乳酸菌を飲んでも腸が整わないワケ〜

現代人には「ひからび腸」が多いそうです。ひからび腸とは腸管の水分が少なくなって腸壁細胞が委縮している状態。原因は、生まれつき胃腸虚弱で時間をかけてそうなったタイプ、生活習慣や飲食の乱れ、抗生物質の飲み過ぎなどが考えられるようです。日本では風邪のたびに抗生物質を服用する人が多く、以前から問題視されています。  

腸管の内側には薄い粘液層があり、腸内細菌が潜んでいます。この粘液が少ないと、腸内細菌の数も減ります。どんなに乳酸菌飲料を飲んでも腸内細菌の住処がなければ増えません。ひからび腸を治すことが先決です。

中医学ではひからび腸を脾陰虚(ひいんきょ)と考えます。脾陰虚は腸壁の組織間液が減少しているだけではなく、皮膚、唇などが乾燥し、舌の苔が剥がれやすく、おりものも多く、便秘がちという特徴があります。こんな状態では食べているのに疲れる、貧血気味、になってしまいます。ひからび腸の人は自然治癒力が低いともいえます。

こうした症状に適した漢方薬があります。その構成生薬の多くは豆類や芋類。豆には水分を逃がさないタンパク質が多く含まれているため、水分の保持機能を高めてくれます。漢方薬で必要なところに水分を行き渡らせ、粘膜層を増やし、肌を潤わせ、おりものを減らすようにしていくのです。  

薬膳的にも胃腸を養うのは穀類、芋類、豆類です。近頃、糖質制限が流行していますが、穀類、芋類、豆類を摂らずに肉食中心になるとひからび腸が進むので、バランスの良い食事が大切なのです。
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