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漢方コラム 85/313

Vol.230 目と五臓の密接な関わり〜肝のトラブルは目の不調にも現れる〜

「目は口ほどにものを言う」「目に生気がない」など目にはその人を表す力が宿っていますね。中国伝統医学(中医学)では目は五臓の働きや精気の状態が現れる場所と考えます。五輪学説で目を細かく見ると、瞳孔は腎、角膜は肝、結膜は肺、目頭・目尻は心、瞼は脾(消化器系)と関連しています。寝ている時にまぶたが半開きになる人は脾が弱い体質といえます。

五臓の中で目と一番大きな関わりを持つのは「肝」です。肝と目は経絡(ツボとツボをつなぐ線路で気と血の通り道)でつながっていて、肝に異常があると目にトラブルが起こります。
肝の働きは@全身の気を巡らせて精神情緒を安定させる、A血を蓄えて他の臓腑や器官に分配する―です。ストレスの影響を受けやすく、ストレスを受けると気血の流れが滞り、肝が熱をもち、イライラしたり、目が充血したり、目が疲れるということがあります。肝熱を鎮め、気の流れを整える漢方薬を用いると目のトラブルがすっと良くなります。 炎症やかゆみが起こりやすい場合にも良いです。
眼底出血には瘀血(おけつ)という血流障害が関与しますが、ストレスや老化、近視などがリスクとなります。予防には瘀血改善と肝腎の強化、網膜強化のための補気薬などの漢方薬が有効です。
飛蚊症は、中医学では肝臓の血液不足(肝血虚)と考え、肝の血を補うことを重視します。しかし、飛蚊症の見え方が急に変化した場合は網膜剥離や硝子体出血などの可能性があるのですぐに眼科を受診しましょう。その他の目のトラブルにも五臓や気血水の流れをみて整えていきます。
ブヘサ中村固腸堂
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