漢方コラム
◀
86/313
▶
Vol.229 漢方での妊活!不妊治療のための基礎知識!〜基礎体温でわかることー排卵日を知るだけでなく、体質の弱点を知る〜
基礎体温は十分な睡眠をとった起床直後、寝たままの状態で、舌下で測ります。情報は排卵の有無や排卵時期の確認、月経不順の原因分析などに利用します。そのほか、不正出血の原因を予測したり、黄体機能不全の有無や妊娠と流産の予測の上でも参考になります。
漢方で基礎体温情報は排卵日を知るためだけでなく、体質の弱点を知る参考資料として役立てます。同じ28日周期でも低温 期が14日で高温期が 14日の場合と、低温期が20日で高温期が8日の場合とでは大きく意味合いが違います。
排卵までの期間が 19日以上ある場合は卵胞が育ちにくい状態。中医学では「気血不足」、「気滞血於、痰湿」という体質の可能性を考えます。低温期が 11日以下と短い場合も卵胞が良い状態とはいえず、低温期が長いタイプとは違うアプローチが必要です。
どの要素が不足し、機能が低下しているかバランス良く見ることは非常に重要で、自分が「冷え性」と思っている人でも基礎体温が高い場合もあ ります。このタイプは一般的に冷え性に良いとされる漢方薬だけでは対処できません。
体温の高さやがたつき、高温期への移行の仕方など細かくチェックして体質的弱点を見つけ、1人ひとりに合わせて体作りをサポートします。妊活中の基礎体温は役立つ情報ですが、基礎体温を測ること自体を面倒に感じたり、過度に神経質にとらえて大きなストレスになるようなら、無理せず、気が向いたときに測ると良いでしょう。