漢方コラム
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Vol.222 風邪は矛の板藍根と盾の体作りで!
寒くなり、集団風邪も発生し始めています。
中国には学級閉鎖がないということをご存知ですか?それは中国では漢方が日々の生活に根付いていることが理由の一つだと思います。漢方の考え方も生活に浸透しているので、養生に対する意識が高いといえます。
中国の家庭では昔から板藍根(ばんらんこん)という生薬を健康茶として愛飲しています。風邪予防やのどの痛みなどに良いことが生活に根付いているからです。
当店でも毎年9月末ぐらいから、常連さんが板藍根をお求めに来られます。日本でも少しずつ浸透してきつつあるといえます。赤ちゃんや子どもも飲めて、体に負担がかからない点が板藍根の人気の理由です。
けれども、板藍根は確かに風邪予防に良いのですが、作用は清熱解毒のため、体を温めて免疫力を高めるわけではありません。矛と盾でいうと「矛」の役割をします。 抗菌抗ウイルス作用でウイルスなどをやっつけたり、喉の炎症を鎮める働きがありますが、「すぐに風邪をひく」、「虚弱体質」、「冷え性」という人は防御の「盾」の強化を図る必要があります。
風邪をひきやすい人や抵抗力がかなり落ちている人は体の防衛力が弱い衛気虚(えいききょ)という体質であることが多いですから、衛気を高める漢方薬を用いることで体が強くなり、体力もつき、風邪を繰り返すということはぐっと減ります。
「矛」と「盾」、両方を強化することで、この冬を元気に楽しく乗り切りたいですね。