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漢方コラム 94/313

Vol.221 湖北省中医院婦産科研修〜本場中国の中医医療の現場〜

中国には中医医院という漢方(中医学)専門病院がいくつもあります。年間400万人の患者さんが訪れるという、日本では考えられないぐらい大きな病院もあります。先日、主人が外来と病棟のある湖北省中医院婦産科へ研修に行ってきました。

中医師は漢方の医師ですが、「中西結合(中医学と西洋医学の混合)」を取り入れ、外科手術も行っているようです。子宮ポリープと卵管の手術をした患者さんに術後の 癒着防止に薬草湿布をお腹に当てたり、薬液を直接直腸に作用させる浣腸を用いるなど飲む〞だけではない漢方の使い方はさすがだなと思います。

私も過去何度か北京や雲南省の中医医院へ研修に行きましたが、診察待ちの大行列をよく見かけました。以前は朝、大行列で順番をつき、診察室では中医師からの処方は助手が手書き、煎じるための大量の生薬(1回量が日本の3倍くらい多い)を持ち帰る患者さんであふれていました。しかし、今は外来予約や漢方薬の処方はシステム化され、薬自体も日本でよく使われている顆粒タイプが主流になったそうです。

相談内容は妊娠希望、早期閉経、生理不順、子宮頚部炎症、卵巣嚢腫、不正出血、内膜ポリープ、無月経、更年期障害など日本と変わらないのですが、中国でも多嚢胞性卵胞症候群が増えているとのこと。中医学では瘀血(血の滞り)、痰湿(老廃物が溜まる)、腎陽虚(冷え)などが原因と考えますが、養生を大切にする中国でも近年は生活習慣の変化が否めないようです。
ブヘサ中村固腸堂
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