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漢方コラム 95/313

Vol.220 腎臓が寿命を決める?!生命力の源「腎」

iPS細胞で知られる山中伸弥教授はある番組で「肝心(かんじん)という言葉は元々肝腎だった」とおっしゃっていました。
脳だけでなく腎臓が全身の司令塔であり、寿命を決めるのも腎臓だということが科学の最新の研究で分かってきました。

これは中医学の「健康長寿は肝腎要」と同じ考え方です。腎は命門の火と呼ばれ、生命力そのものを指します。中医学で腎は成長・発育・老化を司ると考えます。腎が強ければ成長や発育が順調で、歯や骨も強く、体も丈夫。
老化スピードにも腎の強さが関係し、骨がもろい、足腰がだるい・弱い、生殖機能が弱い、髪が抜けやすい、生理不順、おしっこトラブル、体が弱い、強い冷えやほてりなどは腎の働きが弱い「腎虚(じんきょ)」体質の可能性があります。

腎の強さは両親から受け継いだ部分が大きいのですが、どのように過ごし、どのような食事をするかなどによって腎の力の低下スピード(老化スピード)が変わります。せっかく良い腎の力を持って生まれてきても、不摂生をしていると腎の働きが低下していきます。生まれつき体が弱い場合はどうしようもないかというと、そうではありません。中医学では体質に応じた補腎薬で腎の働きを補うことができます。

漢方薬には子供の発育不良や夜尿症のための六味地黄丸をはじめ、多くの補腎薬があり、目的や体質に応じて使い分けます。35歳を超えると腎の力は下っていくため、補腎薬で腎を強化することが若々しくあるための秘 訣です。更年期予防や、骨粗しょう症予防、耳や尿トラブルなどにも「補腎」という考え方を知っておくと非常に役立ちます。
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