漢方コラム
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Vol.215 感情と五臓の不思議な関係「五志」〜臓器の働きが感情にも作用する〜
肝→怒、心→喜、脾(消化器系)→思(思い悩む)、肺→悲、腎→恐のように、感情と五臓の関係性を五志といい、知っておくと非常に役立ちます。
怒りっぽい、イライラ、ヒステリー、疳の虫は肝の弱り。肝には血液を蓄えて必要な臓器に配分する働きがあるため、肝が弱ると生理前のイライラが起こりやすくなります。疳の虫や夜泣きなどに用いられる抑肝散という漢方薬は、字のごとく肝の高ぶりを抑する〞という意味で、肝の働きを正常にすることで気の高ぶりを抑えます。
喜は良いイメージですが、喜び過ぎは心の働きが亢進して不眠、動悸、血圧上昇などをまねき、心臓に負担をかけることがあります。適度な感情は良い影響を与えますが、行き過ぎは関係する臓器の働きを乱します。
胃腸虚弱は疲れやすい、あまり活動的でなく、くよくよ思い悩みやすいなどの傾向があります。胃腸機能が弱っているときはその傾向が強くなり、胃腸の調子が良い時は元気というように、心身一如であります。
肺の弱りは悲しみとなって表れ、呼吸が乱れ、ため息が増えます。いつもメソメソ泣いている場合は肺の弱りがあるかもしれません。
腎の弱りは恐怖心となります。腎は生命力の元です。腎の弱い人は高いところや狭いところ、新しいことなどに対して恐怖心を抱きやすい傾向があります。
漢方薬は弱っている臓器を強くしていくことで怒りっぽい、悩みやすい、落ち込みやすい、恐怖心などをやわらげることに有効です。