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漢方コラム 103/313

Vol.212 味覚の嗜好で体の弱点が分かる?!

食べ物は酸味、苦味、甘味、辛味、鹹味(しおからい)の五味に分けられ、それぞれに効能があります。例えば、酸味は引き締める、止める働きがあり、汗のかきすぎや下痢、出血などに良いし、苦瓜や緑茶などの苦味にはデトックスの働きがあります。

五味は酸味→「肝」、苦味→「心」、甘味→「脾」、辛味→「肺」、鹹味→「腎」という具合に五臓と密接な関係にあります。お米や芋など優しい甘味は脾(消化器系)の機能を高めますが、白砂糖などの摂り過ぎは機能を低下させます。つまり、各味が相当する臓器を助け、摂り過ぎは傷つけることにもなります。味の嗜好で自分自身の五臓の弱点がみえることもあります。

酸味を好む人は「肝」のトラブルを起こしやすい傾向が。中医学でいう「肝」は肝臓だけでなく、自律神経系、精神情緒や生理のコントロールなどとも関係します。怒りっぽく生理に伴う諸症状がある人、ストレスに弱いタイプです。
苦味を好む人は「心」のトラブルに注意。動悸や不眠、脈の乱れ、熱っぽい体質のことも。葉野菜の苦味やお茶の苦味がお勧めです。
甘味を好むのは「脾(消化器系)」が弱い人です。甘い物が異常に食べたいときは胃炎の前兆であることも多いので注意が必要です。
辛味を好む人は「肺」が弱い傾向が。鼻が悪い人もいます。ネギ、生姜、ハッカなどの辛味は肺の働きを高めます。
鹹味を好む人は「腎」が弱く、腎臓以外に生殖、発育、ホルモン系に関わります。ミネラル豊富な自然塩は働きを高めてくれますが、精製された塩には注意を。昆布や海藻は腎の働きを高めます。
ブヘサ中村固腸堂
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