漢方基礎編 不妊 婦人科について 産後のトラブル・ケア 皮膚について 胃腸トラブル,便秘,痔 頭痛,めまい,耳鳴り,難聴 冷え,むくみ,ほてり 生薬について 子どもと漢方 鼻の症状,咳 食養生,薬膳 風邪,流感,花粉症 腰痛,神経痛,痺れ 低血圧 目のトラブル 季節の養生法 不眠,心のトラブル 生活習慣病 老化,尿トラブル
漢方コラム 105/313

Vol.210 いろいろなタイプの耳鳴り「下」 老化の耳鳴り、疲れると起こる耳鳴り、血流悪化の耳鳴り…など 原因や症状、体質に合う漢方処方でケア

耳鳴りは原因や体質によって改善方法は異なり、用いる漢方薬が変わります。前回はストレスにより肝気が上昇して起こる「肝火上擾」について説明しました。

これとは別に、内臓機能が低下し、体に必要なものが足りない状態「虚証」が原因で起こる耳鳴りもあります。
虚証の耳鳴りは主に『腎精不足』によるものと『脾胃虚弱』によるものがあります。

腎精不足による耳鳴りは夜間にひどくなり、罹患期間も長いのが特徴。聴力の減退、 めまいや腰痛、不眠などの症状を併せ持つ場合もあります。舌の苔は少なく、老化による耳鳴りもこれに当たります。漢方では補腎薬を使いますが、長期的に使う必要があり、不眠や不安症状が強い場合は安神作用のある漢方処方を併せます。

脾胃虚弱による耳鳴りは疲れると耳鳴りが強くなるタイプ。胃腸が弱く倦怠感があり、食欲がないか、あってももたれやお腹の張りなどがみられます。顔色は黄味がかかっていて舌は淡白な薄い色。胃腸機能の弱い気虚(気の不足)タイプは血も作られにくいので、立ちくらみなど血虚(血の不足)も伴います。漢方では胃腸の働きを高めて内臓に元気を補い、気血が上部に行き届くようにしていきます。

また、耳鳴りには往々にして血流障害が絡んできます。血の流れが滞っていると 頭部の血流が悪くなり、耳の症状を招きます。全く別の症状で長く活血薬(血流を改善する漢方薬)を飲んでいたら耳鳴りも治ったということは度々あります。今回の例以外のタイプも考えられるので、自分の症状や体質に応じた対応をしていくと良いでしょう。
ブヘサ中村固腸堂
石川県河北郡津幡町加賀爪ヌ58-2
Tel076-288-3721 Fax076-288-3721
営業時間 9:30〜18:30
定休日 月曜日、祝日、第2・4日曜日