漢方コラム
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Vol.207 頭痛〜頭痛は原因によって痛み方も対処法も違う!原因に合わせてすっきり改善!
「不通則痛(通じざればすなわち痛む)」。頭痛は何かが詰まり、気血の流れが塞がれるために起こる「何か詰まっていま すよー」のサイン。
例えば、めまいや吐き気を伴う頭痛は、水の流れが悪くなって起こる痰濁頭痛。胃腸機能が落ちて水分代謝が低下したり、湿度の高い梅雨時期にみられることもあります。舌に厚い苔があれば水停滞サイン。漢方では停滞している余分な水分を調節し、頭痛を改善させます。
生理の時の頭痛は大抵、血が滞っている於血(おけつ)頭痛。原因は血の不足であることが多く、脳に十分な血液が行き届いていないために頭痛が起こります。貧血ではなくても、経血の量が少ない、爪が割れやすい、 乾燥肌、冷え、舌の色が淡い、という方は血の不足。しっかりと血を補い、於血改善作用のある漢方薬を用いて血の道を整えることで頭痛が改善します。
漢方はストレスによる頭痛にも効果的。肝火頭痛ともいわれ、精神情緒や自律神経を司る肝の気の上昇が原因です。偏頭痛が多く、目の充血や急性の耳鳴り、口の苦味などを伴うこともあります。春は気が上昇しやすいので、頭痛やめまいなど頭部の症状が表れることが多く、詰まりを改善することでピタっと治まる例はよくあります。
疲労時に起こる頭痛は気虚頭痛。胃腸の働きが弱い方に多くみられます。頭痛の種類はほかにもありますが、このように、気・血・水の詰まりにより頭痛の特徴も変わり、その改善策も違ってきます。原因に応じた対応で頭痛を根本的に改善していくことができます。