漢方コラム
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Vol.191 夏になってから急に便秘に〜「寒秘」−冷えによる便秘かも?!〜
便秘にはいくつかのタイプがあります。腸が乾燥している燥秘(そうひ)、ストレスなどで気 の流れが悪い気秘(きっぴ)、胃腸の働きが低下し、ぜん動運動が弱い虚秘(きょひ)、腸に熱がこもっている熱秘(ねっぴ)、腸が冷えている寒秘(かんぴ)の5つに分けられます。 この時期相談が多いの は「暑くなってきてから便が出にくい」という、寒秘タイプ。寒秘の便は初めが固く後は軟便、便が細く切れ切れ、お腹が冷たい、手足が冷える、トイレが近い、舌が白っぽい … 等の特徴がみられます。「ヨーグルトや生野菜を食べているのに便が出ない」ということがしばしば。冷房を使い、冷たい飲みものや食べ物が多くなって胃腸が冷え、腸の働きが鈍くなったと考えられます。腸は 37度で腸内環境が整い、働きが高まるため、温めると働きは良くなり、冷やせば急激に働かなくなります。ヨーグルトを食べれば腸は冷え、生野菜をモリモリ食べたり、スムージーを飲んでいれば余計に冷えますね。まずは腸を温めましょう。お味噌汁は乳酸菌も豊富でオススメです。 常に体温以上の温かい物や火を通したものを口にすることを心がけて。
寒秘タイプは寝る前に湯たんぽでお腹を温めると次の日するっと便が出ます。夏だからといって汗をかくことを恐れず温活を!特に女性は冷え性が多いので、夏に限らず、便秘の原因は冷えかもしれません。漢方薬では桂枝加芍薬湯、人参湯、小健中湯など腸を温める処方もいろいろあります。1に養生、2に漢方、まずは生活から見直して腸活しましょう!