漢方コラム
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Vol.189 氷が食べたくなる「氷食症」
あなたの周りに氷をバリバリ食べている人はいませんか?
これはただ冷たいものが好きなので はなく、「氷食症」かもしれません。氷を食べている人は暑がりで体格の良い人ばかりではありません。実は冷え性だったり、貧血傾向の人が多く、 鉄分不足が一番の原因といわれています。相談を受ける人の多くは、
・疲れやすい
・めまいや立ちくらみ
・血色が良くない
・寝つき・ 眠りの質が良くない
・低血圧
などの症状がみられます。
貧血が改善されると、氷を食べる行動は無くなることも多いようです。 男性よりも女性に多く、お子さんや若い女性にも多いのですが、更年期で口の中が熱く感じる人、生理の量が多い人にもみられます。体質的に貧血、または血虚(貧血ではないが貧血症状がある)以外にも、胃潰瘍や内臓のできものから少しずつ出血している人にもこのような症状が出る場合があります。精神的ストレスなどが背景にあることもあります。
氷食症は冷たいものを摂り過ぎることで、脾(消化器)が冷えて機能が低下し、血を作り出す力が弱くなり、ますます血液不足の体質になっていきます。冷え性がひどくなり、卵巣や子宮周辺の血流が悪くなり、生理痛、生理不順、不妊症、更年期障害の悪化など婦人科トラブルにもつながります。
漢方薬では当帰などの補血薬を中心に、血を増やし貧血や血虚を改善するものがあります。症状は全て体からのサイン。冷え性で顔色が悪いのに、氷やアイスなど無性に食べたくなるという方、専門家に相談し、自分の体質に合う漢方薬で早めに体を整えていきましょう。