漢方コラム
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Vol.187 梅雨時期増える胃腸トラブル、めまい、頭重感、腰痛・膝痛、むくみ!体内の余分な水分を排出しましょう!
ジメジメと蒸し暑い日が続きます。この時期必ず、頭痛がしたり、頭がボーッとしたり、めまいやふらつき、下痢や軟便、胃が重い、食欲不振、関節痛、むくみなどの症状が出る人がいらっしゃいます。これらは主に「湿気」が原因。胃腸が弱く、体に余分な水分をため込みやすい脾虚痰湿(ひきょたんしつ)の体質の方にとっては過ごしにくい時期といえます。
自然界には風、熱、暑、湿、燥、寒の六つの邪気があり、それらが大きく体に影響を与えます。梅雨時期は主に湿と暑。中でも湿が及ぼす影響が大きいのです。胃腸は除湿機の役割があるので、胃腸の働きが弱いと水はけが悪くなり、体に余分な水分がたまって先述の症状につながります。この「湿」をスムーズに体外に排泄することを実践するだけで梅雨がぐんと過ごしやすくなります。
利湿作用、利水作用がある食材を積極的に摂ることはとても有効です。例えば、キュウリや冬瓜、スイカは体をクールダウンさせ、利尿作用があります。小豆は生薬名が赤小豆(せきしょうず)といい、むくみに効果有り。しかし、砂糖を混ぜてあんこにするとその効果が無くなります。野菜たっぷりのミネストローネなどスープに入れるのが美味しくてオススメですよ。
とうもろこしの髭は南蛮(なんばんげ)と言われ利水作用があり、むくみによく、お茶にしてもとてもよい味です。髭を乾燥させて煮だして飲みます。とうもろこし自体は胃腸の働きを高める働きがあります。
日本ではあまり手に入りませんが緑豆もとても体の水はけをよくする働きがあり、緑豆はるさめや緑豆もやしなどを活用するとよいでしょう。
健脾(けんぴ)といい、 胃腸の働きを高めることも重要です。食べても太れないタイプの人は要注意。山芋やかぼちゃ、キャベツ、豆類などで胃腸の気も高めておきましょう。胃腸を冷やさないこともとても大切なポイントです。
漢方薬では勝湿顆粒、 健胃顆粒、健脾散、温胆湯など、胃腸機能を高めながら湿を抜く処方を体質に合わせて用います。 余分な水分が排出されると胃腸症状だけでなく、めまいや頭痛なども楽になっていきます。