漢方コラム
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Vol.186 早期治療が大切な耳のトラブル〜耳鳴り、難聴、閉塞感〜
突発性難聴や耳鳴り、耳の閉塞感―。耳のトラブルはできるだけ早くに改善に取り組む方が良 くなるのも早く、何年も放っておくと治療が難しくなるといわれています。耳の外側の外耳の問題なのか、耳の内側の中耳や内耳の問題なのかによってもアプローチが違うので、耳の内側深くになればなるほど治療は繊細さが求められます。
内耳の部分にあるカタツムリのような形をした蝸牛という器官が振動を電気信号に変換し、脳へと伝えられるのですが、多くの耳鳴りや難聴などの原因はこの蝸牛内のトラブルです。
金属音のような高音は比較的まだ浅い入り口の有毛細胞のトラブルで、セミのような低い音や騒音は奥のトラブルです。
当店で度々あるのですが、関節痛や婦人科の相談に来られて、耳のトラブルとは全く別の漢方薬をずっと飲んでいて、「そういえば漢方を飲み始めてから耳鳴りが良くなったけど関係ある?」と言 われることがあります。 用いる目的は違えど、耳と関係の深い腎を強化するものや、血流を良くするもの、血を補うもの、気や水の巡りを良くする漢方薬が体に総合的に働きかけるので耳鳴りが良くなっても不思議ではありません。 実際には耳鳴りや聴力低下など耳のトラブルに用いる漢方薬の専門処方があります。種類はいくつかあるため、その方の原因や体質に応じて合うものを用いていく必要がありますので自分にあった漢方薬を提案してもらうことをお勧めします。
耳の症状は年齢とともに起こりやすくなりますが、 40 歳ごろから聴力の低下は始まり、若い方にもめずらしくはありません。
▼疲れたときにキーンとなる、▼大きな音のなる仕事をしてから耳でジーという音が聞こえる、▼突然セミの鳴き声のような音がする―など症状は人それぞれ。ストレスの影響や不摂生などいろいろな原因が考えられますが、大音量で音楽を聞く等の行為が、早い時期に老人性難聴を発症するリスクを高めるともいわれていますから、若い時から注意して過ごす必要があります。