漢方コラム
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Vol.185 不妊症の温床にもなりやすい多嚢胞性卵巣症候群(たのうほうせいらんそうしょうこうぐん)
不妊症に関係する疾患 に多嚢胞性卵巣症候群 (たのうほうせいらんそうしょうこうぐん)があります。卵巣の被膜が固く厚くなり、中途半端 な大きさの卵子がたくさんできて排卵障害を起こすものです。周期は長くなりやすく、排卵があるケースと無排卵のケースがありす。生理不順の場合が多く、肥満や男性 ホルモンが高い傾向があるため、多毛やニキビの症状が出ることもあります。原因がはっきりしないため、排卵誘発剤や糖代謝改善薬などが処方されますが、根本的な治療とはいえません。
同症候群を東洋医学的 に見ると、腎虚(じんきょ)、痰濁(たんだく)、お血(おけつ)、肝鬱(かんうつ)などにあたります。●腎(生殖機等)が弱い、●体に老廃物がたまる体質で血流が悪い、●ストレスが強い タイプ―にみられます。ベースに冷えがある人も多いですね。個人の体質や症状により漢方薬は異なりますが、腎の働きを高めて冷えを改善し、血液循環を良くして老廃物を排泄できる体を作る必要があります。体を整えていくことで多嚢胞性卵巣が改善され、排卵障害が整っていくケースは多くあります。老廃物をため込まない体質に整えることは重要なポイントで、冷たいもの、甘いもの、添加物の多い食品、脂っこいもの、 肉類や乳製品のような動物性のものの摂り過ぎは改善の必要があります。また、どんなに良い食事でも食べ過ぎは食毒になり、老廃物が溜まりやすくなります。「健康の秘訣は小食にあり」です。