漢方コラム
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Vol.181 冷え性とは違う「低体温」 〜現代の生活スタイルが大きく影響〜
「冷え性」は手先や足先が冷たく感じても、体温は正常ということが多いのですが、「低体温」は体の中枢が冷えて深部体温が低くなることを指し、どちらもよ良い状態とはいえません。特に体温が36度以下となる低体温は、体の深部が冷えて免疫力が低下したり、内臓全体の働きが悪くなってあらゆる体調不良を引き起こしやすくなります。原因には生活スタイルが大きく関係しています。まずは運動不足。筋力が低下し、熱を産み出しにくくなり、低体温になります。体温調節がうまくいかないのは自律神経が乱れているためで、血流障害から低体温を引き起こします。また、ストレスは自律神経系とホルモンのバランスを崩します。そのほか、甲状腺機能低下症などの病気が関係することもありますし、冷房による体温調節の乱れ、喫煙による血管収縮が体温を低下させることもあります。ダイエットなどで食事でエネルギーを作りだせない場合もあります。まだまだ、睡眠不足、遅寝、不摂生、湯船につからないなどが原因ということも考えられます。
食養生の面から言うと、日本人は体を冷やすものが好きということが背景にあります。お刺身など生食を好んだり、飲食店では一年中氷入りのお水や飲み物がでてきますし、冷たいビールにアイスクリームも大好きです。食べ物の体温への影響は「食性」といい、白砂糖、
カニ、アロエ、果物、夏野菜などは寒性・涼性で体を冷やします。好きだからといって偏った食事をしていると体を冷やすことになります。