漢方コラム
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Vol.179 生理痛〜痛みの特徴によって分かること〜
本来、生理痛は「無い」のが当たり前。生理痛は子宮や卵巣からの警告であり、背景に婦人病が隠れている場合や、さまざまな婦人科トラブルが起こりうる可能性を秘めています。
生理痛はどのように痛むか、いつ痛むかなどを観察することで、たくさんのことがわかります。例えば、生理痛は通常生理の初日や2日目に痛いもの、と思いがちですが、人によっては生理の始まる3日前からお腹が張るように痛む場合もあれば、生理が終わってから2、3日シクシク痛むこともあります。前者はオケツといい、血流が悪く、特に骨盤内の血流停滞が強いと考えられます。後者は血液不足など体に必要な材料が足りていない「虚のタイプ」であると考えられます。
痛みは刺すような痛み、張るような痛み、鈍い痛み、ひきつれるような痛み―の4つに分けられます。刺すような痛みは針で刺すようにズキズキ痛み、場所も固定。これはオケツによる血液の滞りです。張る痛みは胃腸がパーンと張った感じ。気の巡りが悪い状態で、ストレスなどによる精神的疲労が関係します。鈍い痛みはシクシクとした痛みで、内臓の元気不足や血液不足。引き攣れるようなひどい痛みは冷えが大きく影響しています。@血の色が黒っぽく、血の塊があればオケツが強い。A血の色が薄くさらさらしていれば血が足りない−などと判断します。自分の生理の状態や体質に応じた漢方薬を用いることで生理痛は随分と楽になります。