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漢方コラム 138/313

Vol.177 気になる漢方薬の副作用について

「漢方薬を始めてみたいけど、副作用はあるの?」という質問がよくあります。今日は漢方の副作用について考えてみたいと思います。

結論から言うと、漢方薬の副作用といわれているもののほとんどは「使い方の間違い」によるものです。本来、弁証論治(べんしょうろんち)といい、体質や症状の違いにより病気を「証(しょう)」で分け、自分の証に合う漢方薬をみつけます。証が決まれは必然的に用いる漢方薬が決まります。「この病気にはどの漢方薬?」と漢方薬に重点を置くと問題が発生する場合があります。例えば、冷えによる便秘なのに、便秘でよく使われる腸を冷やすタイプの麻子仁丸を長期使用すると、ますます腸が冷え、便秘体質は悪化します。

漢方薬の副作用で有名なものに「小柴胡湯(しょうさいことう)」があります。慢性肝炎の人が小柴胡湯を長期使用したことによって体調が悪くなったというものです。小柴胡湯は確かに肝炎に効果のある漢方薬ですが、証によっては合わないこともあります。小柴胡湯は目の渇き、手足がほてる、舌が赤く苔がないといった陰虚(体の体液不足)の人が長期に飲むことは好ましくありません。肝炎に良いからと、体質を見ずに病名で漢方薬を決めてしまい、西洋医学の使い方に当てはめて漢方薬を使ったことが悪化の発端です。漢方薬は証に合った処方で用いれば効果を発揮し、副作用の心配はほとんどありません。

まれに、生薬に対して特定のアレルギーを持っている方がいらっしゃいます。有名なものにはシナモンである肉桂があります。また、普段の食事でも胃がもたれたりする方にとっては、漢方薬の中にも胃腸に少し負担のかかるものもあります。自己判断せず、アレルギーの有無や胃腸が弱いことなどもきちんと専門家に伝えて、自分にあった漢方薬を提案してもらいましょう。
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