漢方コラム
◀
147/313
▶
Vol.168 人参いろいろA 〜シベリア人参と西洋人参〜
《シベリア人参=抗ストレス作用で身体を元気に 西洋人参=頭と身体をクールダウン・集中力UP》
今回は4大人参のシベリア人参と西洋人参を取り上げます。人参類はどれも強壮作用で元気が出ますが、シベリア人参は体を温め、西洋人参は体の熱を冷まします。何より注目したい特徴はシベリア人参の抗ストレス作用です。旧ソ連化学アカデミーによる臨床・薬理実験で、高麗人参よりも優れた抗ストレス作用を持つことが分かっています。ここでいうストレスとは厳寒、疲労、精神的ストレス、酸素の欠乏、放射線などを指します。精神安定、鎮静、安眠、自律神経調節の働きがあるため、イライラや落ち込み、不眠にオススメです。これだけの働きがあっても、内臓に副作用を起こしにくいところも魅力の一つです。当店でも非常にファンの多いシベリア人参〞。私も大好きな生薬の一つです。
西洋人参は日本ではまだなじみが薄いかもしれませんが、中国では要人はたいてい飲んでいると言われ、特にスポーツ選手で飲んでいない人を探す方が難しいとさえ言われています。
性質は涼性なので、人参類では珍しく、体にこもった余分な熱を冷ます働きがあります。通常、強壮作用のあるものはのぼせるタイプには用いにくいものが多いのですが、西洋人参は涼性なので、体は元気にしながらも体や頭をクールダウンする働きがあります。頭がすっきりして集中力がつくので、学生、受験生など頭脳を使う人や、ストレスの多い現代人にもぜひ取り入れていただきたい生薬です。