漢方コラム
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Vol.162 関節痛・神経痛と“湿度”の不思議な関係
《天候の「湿度」と体内の「湿度」の両方から影響》
関節痛、神経痛には湿度が関係しています。体の中にはツボとツボをつなぐ経路のような「経絡(けいらく)」があります。この経絡に何かしらの異常が起きると詰まりが生じ、気や血の流れが悪くなり痛みを生じます。
慢性的な痛みのほとんどに「オケツ」が関わっていると考えられます。オケツとは血液の流れが滞っている状態。漢方では「通じざれば、すなわち痛む」という考えがあり、血液の流れが悪いところに痛みが生じるということ。特に慢性的な痛みやしびれは「ここに血液をちょうだい!」という体からの悲鳴です。頭痛、生理痛、肩こりなどがそのサインというワケ。
オケツは冷えや寒さ、ストレス、過労、外傷、老化、体力低下、貧血などにより生じ、天候による湿度と、体に余分な水分が溜まる「湿」によっても引き起こされます。北陸のように冬寒く、夏に湿度の高い地域は、関節痛、神経痛などの人が多くなります。当店でも冬と梅雨、夏にご相談が増えます。
また、前出の「湿」は体に余分な水分をため込みやすい、「水湿(すいしつ)」という体質によるものです。水分代謝が悪く、水はけの悪い体質で、むくみやすく、舌をみると苔が厚い人です。
自覚症状がなくても胃腸の弱い、普段から冷たいものをよく飲んだり食べたりする、お酒が好き、甘い物が好きという人にもこのタイプは多くなります。この「湿」を考慮する視点は重要で、漢方で体内の余分な水分を排出しながら幹部の状態を良くし、関節痛や神経痛になりにくい「体質」に改善していくことに取り組んでみられてはいかがでしょうか。