漢方コラム
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Vol.153 脳の使い過ぎに注意! だれにでもある「健忘」
《脳の疲れやストレスが原因となることも》
「うっかりミスが続いている」、「部屋を移動したのに何をしに来たのか忘れた」、「タレントの名前が出てこない」...。こんなことありませんか?物忘れに加えて、集中が続かず、頭がボーっとするような状態を「健忘」と言います。認知症の始まりでは? と心配になるかもしれませんが、認知症と健忘は別ものです。健忘はだれにでもありうることで、若くてもなります。脳の使い過ぎで疲れていたり、ストレスがたまっていることが要因ともいわれています。東洋医学では血を全身に巡らせて、栄養を各臓器や機関に送り込む「心」の働きの低下と、「脾(ひ)」と言われる消化器系の働きが大きく関係している「心脾両虚(しんぴりょうきょ)」の状態であると考えます。無意味に自分を責めたり、精神的に不安になることも「心脾両虚」の特徴です。 物忘れと全く関係がないと思われがちな胃腸ですが、東洋医学ではエネルギーや血液を作り出すスタート地点として重要視します。胃腸の働きが弱ると疲れやすくなり、貧血気味になり血流量が減ります。生理不順や不正出血にもなりやすくなります。身体のバランスを総合的に整えていくことが重要で、胃腸をいたわり、冷やさないこと、神経の緊張をゆるめ、血の流れを良くすることを心がけていきます。
漢方薬には心と脾の働きを高め、ストレスや頭脳労働などによる脳の疲れをとり、健忘、貧血、不眠などに効果のあるものがあり、体質に応じて使い分けていきます。お気軽にご相談ください。