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漢方コラム 180/313

Vol.134 春と気の巡りの関係

気を巡らせてリンパと血液の流れをよくしよう
漢方独特の考え方には「気」というものがあります。目には見えませんが、元気がないね、とか、やる気が起きないな、熱気を感じる...など、無意識のうちに私たちも気という言葉を使って体の状態を表現しています。病気にも気という字が使われているように、病気と気とは非常に関係があります。
「気の巡り」というのが、体にとっては非常に重要な要素で、気が巡ることで血液がスムーズに流れ、体の各器官、臓器に栄養が運ばれます。ストレスを感じると気の滞りが起こり、これを気滞(きたい)といいますが、血やリンパの流れなどが悪くなり、体に老廃物をため込みます。そのため、頭痛がしたり、疲れがとれなくなったり、肌が乾燥したりと全身の影響が及びます。
栄養はたくさん取っているし、たっぷり寝て、サプリメントも飲んでいる、それなのに一向に肌はカサカサで艶もなく効果が実感できないというご相談がありました。よくお話を聞いてみると、おなかは張って膨満感があり、すこしイライラし、生理前に胸も張るようです。これらは典型的な「気滞」の症状です。せっかくとった栄養は気が巡らないことにより血流が悪くなり全身に散布されない状態です。
自分ではストレスを感じてはいなくても、気配りがよくできる方や優しく真面目な人は「気滞」タイプが多く、自分では気づかないうちに気が滞ります。陰陽五行の考え方では春は陰から陽への転換の時期で、気の巡りが停滞しやすい時期。深呼吸をしてみる、リラックスする時間を設ける、運動をする、これらも気の巡りをよくする方法の一つです。漢方では理気(りき)といい、気の巡りをよくする処方がいくつもあります。一見関係のない症状にもこのような漢方薬を少し合わせるだけで効果が高まるということもよくあります。
ブヘサ中村固腸堂
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