漢方コラム
◀
181/313
▶
Vol.133 自然界と体の関係〜皮膚トラブル〜
当店のお客様のお話ですが、去年の秋ごろから体が痒いということですが、湿疹などは一切なく、見た目には全く分かりません。日光に当たったときや、お風呂に入った時、お酒を飲んだ時などに無償にチクチクいたくなり、痒みがでて、体じゅう痒くてつらいとのことでした。いろいろとお話をしているうちに、汗がかけなくなったこと、2交代制の仕事であること、最近の気候の変化に体がついていけなくなったことなどが分かりました。ここ数年は、気候もバランスを崩しているようで、春のような陽気かなと思っていたら急に寒くなったり、気温差も激しいため、人間の体のほうも対応できなくなってきています。
西洋医学的には""自律神経が乱れる""と言いますね。呼吸や発汗、睡眠など私たちの体が機能するためにはこの自律神経の働きが密接に関わっています。しかし、生活スタイルの乱れや気候の乱れ、ストレスなどの影響により、自律神経の乱れが起こります。人間は汗をかくことで体にこもった熱を発散していますが、この方は、寝る時間がバラバラの生活や気候の影響もあり、自律神経が乱れ汗がうまくかけなくなり、体に熱がこもってしまったようです。
舌を見ても赤く熱をもっていて、食事も脂っこいものやお酒が好きとのことで漢方で言う""湿熱(しつねつ)""の状態になっていました。湿熱とは、体に余分な老廃物や水分、熱がこもっていることを指しますが、この状態が続くことは皮膚病を招くことも多く、密接に関係があります。この湿熱を改善することを「瀉火利湿(しゃかりしつ)」や、「清熱利湿(せいねつりしつ)」といいます。漢方ならではのアプローチ方法ですが、皮膚トラブルはよくなっていきます。